oh_no_39 Homepage
[サイトマップへ:]
├
Books (本) 過去ログ
P9, 2018 / 1月~
├
└
Date:
2018/6/30 (SAT)
Headline:
2018/6 に読んだ本
Contents:
んっ??、プルーストが入ってませんが??。
(1・2)犯人に告ぐ (上・下) / 雫井修介 / 双葉文庫
実は先月に読んだにもかかわらず記録忘れ。
記憶が飛ぶことが日に日に多くなっているような気もしますが、
薬の副作用か単なる通常の老化かの区別はなかなかつけ難いです (個人的には前者押し)。
さて、本作ですが、犯人の犯したミスがちょっと突飛だったり、
犯人フィルタリングのキーに若干無理があったりしますが、
概ねうまく構成されておりおもしろく読めました。
ちなみに犯人はあっさり逮捕されていました。
(3)ハサミ男 / 殊能将之 / 講談社文庫
ネット上で評価高かったんで読んでみました。
が、えぇぇ??、僕が B 級サスペンスドラマ大好きやちゅうても、
なんぼなんでもこりゃあかんすぎやろ?!。
(4)がん消滅の罠 / 岩木一麻 / 宝島社文庫
妻が買った推理小説。
ありがたいことにネタは読む前からばらしてくれました (笑)。
何人かの重篤ながん患者が生命保険金生前払いを受けてのち、なぜだか快癒するお話です。
生命保険金詐取 (詐欺罪でしょうか) に該当するかどうかは微妙ですね。
ちなみに僕の生命保険は生前払い特約はついてませんです。
(5)夏目漱石シリーズ5 / 青空文庫
「三四郎」「それから」他
どれも再読!、のはずなんですが、中身の記憶的には初読。
今回読んだのは青空文庫版、そして家には文庫本がちゃんとありますが、何か??。
(bonus)Botchan / Souseki Natsume / Overdrive Library
ちったぁ英語の勉強でもせんとなぁ、っちゅうわけで、
先月に引き続き Over Drive Library 覗いてみてます。
漱石の洒落文がどんなふうに訳されているのか楽しみだったんですが、
読んでみたら全訳ではないし (洒落文の多くの部分が大胆且つ完全に削除されていました!、
よく見たら abridged って書いてましたわ、笑)、
英文もどうもいまいちのような気がする (The Remainds of the Day と比べてみてなんとなく)。
などと偉そうに言うものの 8日の貸出期間で読めたのは、全 76 ページ中半分程度のみ!。
そりゃ、話になりまへんな、ってなわけで、貸出期間延長して読みましたとさ。
Date:
2018/5/31 (THU)
Headline:
2018/5 に読んだ本
Contents:
第 2 週目まで本は一文字も読まなかったので、
当然の結果として今月はあまり読んでいない。
下手したらプルーストはカウント外となるところでした。
(1)失われた時を求めて 7 ~ゲルマントのほうⅢ
/ プルースト (訳:吉川一義) / 岩波文庫
サロンでの鼻持ちならない会話が延々と繰り広げられています。
繰り広げられている会話は鼻持ちならない内容ではあるのですが、
きっとこれは人が逃れられない半本能的な側面を映したものであって、
源氏物語で延々と繰り返されていく女性遍歴とある意味同種のものなのではないかという、
根拠のない感覚が沸いてまいりました。
源氏物語をもう一度、今度は谷崎訳で読んでみたいと思うのですが、、、。
ちなみに、源氏は 1008年頃、失われた時は 1927年完成。
900年余の時の流れは人間を進化させたんでしょうか?。
(2)本陣殺人事件 / 横溝正史 / KADOKAWA
表題作他、中編 2 本。
それほど緻密に組まれた作品ではないのですが、その時代の推理小説の王道を往くもの。
面白かったんですが、月末を迎えた今、すでに内容を思い出せません。
僕の記憶力は大丈夫なんでしょうか?。
(3)十角館の殺人 / 綾辻行人 / 講談社文庫
名作といわれているらしいです。
孤島での大量殺人事件のお話。
"衝撃の一行" っちゅうキャッチフレーズとのことなんですが、
どれがその一行なんだかわかりませんでした。
ご丁寧に最後のほうだけもう一度読み直したんですが、その一行は結局発見できずじまいでした。
僕は推理小説向きではないのでしょうか??。
(4)夏目漱石シリーズ4 / 青空文庫
「坑夫」「創作家の態度」「文鳥」他
漱石の文章 (坑夫、文鳥他) は明快で読みやすい。
他方、講演録 (創作家の態度) は何を言っているのかさっぱりわからない。
このギャップは何なんでしょうか?。
(bonus)The Remains of the Day / Kazuo Ishiguro / Over Drive Library
卒論どないしょかなぁ~って、とりあえず在籍大学中央図書館 Web ページ眺めてみたら、
Over Drive 電子図書館なんてなものがある。
実は e-Book 読んだことないんでどんなしろもんなんやろって覗いてみたんですが、
おい!、英文タイトルばっかやん!?。
在外時代、日本人のグローバル化にはそのルーツが大切なんであって、
日本語ろくにでけへんやつが外国語やってもあかんやん、
っちゅうありがたくもありがたくない体験学習してきたもんで、
パソコン画面上に居並ぶ横文字相手に、なめんなよ、などと反発を覚えつつも、
なんやかんや言ぅたところでグローバル化にはデファクトスタンダードを避けて通れないわけで、
どうせただやしな、って結局これ借りちゃいましたです (卒論とは微塵も関係ない、笑)。
貸出期間 8日で読み切れるはずもなく、
プロローグだけっちゅう程度の低い目標に向かって鋭意努力するも、
なんやねん!、半分程度しか意味わっかれへんやんか?!、
ってなわけで邦訳本買いました (ノーベル賞受賞直後は一斉品切れでしたが今は在庫潤沢、笑)。
まっ一応、原文も邦訳もプロローグは読みましたよ、あくまでも一応ですが。
Date:
2018/4/30 (MON)
Headline:
2018/4 に読んだ本
Contents:
拘束時間中どうしようもなく眠いんで、今月から自炊推理小説が導入され青空漱石との並行読み、
更に拘束時間外はプルースト、っちゅう 3本立て。
並行して読むと、漱石がすごいことがよくわかります。
プルーストはよくわかりません。
(1)失われた時を求めて 6 ~ゲルマントのほうⅡ
/ プルースト (訳:吉川一義) / 岩波文庫
よくわからないままに本巻を終了。
サロンでの噂話を装った駆け引きは、なんやら犬の世界みたいでいやな感じやなぁ。
(2・3)OUT (上・下) / 桐野夏生 / 講談社文庫
日本推理作家協会賞受賞でエドガー賞ノミネート作品とのことで妻が買ったもの。
ばらばら殺人の話なんですが、描写が精細すぎてばらばら殺人の夢を見るんでもういやって中途放棄されておったところ、
それはいかんっちゅうことで妻を護るべく僕がこいつをばらばらにして引導渡してスキャナー経由でパソコンの餌にしてやりましたわけです。
ということで、PDF で読みました。
エドガー賞最終候補らしいんですが、なんっちゅうか、締まりがない感じです。
前半は悪くないんです、、、惜しい感じですが、展開発散させてしまった後半は凡庸かと思います。
これを皮切りに「昼間に眠らないための推理小説シリーズ」がスタート。
(4)白夜行 / 東野圭吾 / 講談社文庫
眠らないシリーズ第 2 弾は、とりあえず家にあったやつ。
ガリレオシリーズを見る限り、この作家は無理のない文章とストーリーの展開力がすごいんですが、
本作に限って言えば展開を広げすぎて中盤だれ気味 (つまり睡魔と闘ったということ)。
とはいえおもしろかったです。
事件は解決されないのですが、広がった展開を最後に一気に一つにまとめる手腕は相当のもので、
重ねて言えば読者として若干気になる傍流の結末を本流の勢いで消し去ってしまうごまかし手法も見事。
推理小説としては名作ではないでしょうか。
関係ないけど水上勉の「白蛇抄」 (白夜行と音が似てる) もそのうち読んでみようかと思ったのですが、
絶版で既に中古しか手に入らないみたいなんでとりあえずはあきらめました。
(5)縁見屋の娘 / 三好昌子 / 宝島社文庫
去年秋に車中泊テストしたとき夜長の友として泊地のコンビニで買い、3行ほど読んだ状態でそのまま放置されておったもの。
第 15回「このミス」優秀賞らしいです。
エンタメ的におもしろいという意味では○ (マル) ですが、やっぱり文学作品としてはちょっと、、、。
(6)獄門島 / 横溝正史 / 角川文庫
昭和の名作推理小説。
科学捜査の発達した現代では成り立たない設定ではありますが、
古谷一行主演のおどろおどろしい TV シリーズを見ていた僕らの世代にはやはり面白いです。
文章も整っていて読みやすかったです。
(7)夏目漱石シリーズ3 / 青空文庫
「虞美人草」他
たぶん虞美人草は初めて読む。
漱石の有名どころくらいはもっと若いうちに読んでおかないといけませんね。
Date:
2018/3/31 (SAT)
Headline:
2018/3 に読んだ本
Contents:
最近、夜中あるいは夜明け前に目が覚めてしまって眠れないことが多いもんで、
そんな時は寝床で本読んだりします。
それもあって、まぁ、いいペースでしょうか。
(1)失われた時を求めて 5 ~ゲルマントのほうⅠ
/ プルースト (訳:吉川一義) / 岩波文庫
主人公、いつの間にやら侯爵夫人に色目使ってますやん?。
現代人にはわかりかねる部分がありますが、当時の貴族ってお金持ちだったんですね。
そして高級娼婦と貴族との関係??。
結構乱れているようです。
(2)ふたご / 藤崎彩織 / 文藝春秋
セカオワっちゅう有名バンドの一員の作らしいです。
音楽の方は本著の先入観を排して聴きたいものですが、、、。
(3)おらおらでひとりいぐも / 若竹千佐子 / 河出書房新社
最新の芥川賞受賞作、晩年デビュー作家による老人の物語。
結構共感できる部分があります。
人生晩年となるとひとりでいぐことを受け入れないといけないのです。
(4)夏目漱石シリーズ2 / 青空文庫
「吾輩は猫である」「坊ちゃん」「野分」他
猫、おもろいです。
昔読んだとき (たぶん中学生) はいっこもおもろなかった記憶がありますが、今読むとこりゃおもろい。
お手本ですね。
ほんで、草枕はこのブログによると 2014年 8月にも読んでるみたいです。
まぁ、名作は何回読んでもいいわけですが、概ね半分以上進まないと昔に読んだ記憶はよみがえってはこない。
つまり、名作でもあんまり印象には残っていないということですか。
Date:
2018/2/28 (WED)
Headline:
2018/2 に読んだ本
Contents:
プルーストはやっぱなかなか手強いですね。
で、違うのを 2冊挟んで今月は終了。
(1)失われた時を求めて 4 ~花咲く乙女たちのかげにⅡ
/ プルースト (訳:吉川一義) / 岩波文庫
この主人公、やり手のような奥手のような、、、そして妄想。
(2)戦争の大問題 / 丹羽宇一郎 / 東洋経済新報社
戦争は避けるべきとの主張はその通りだと思います。
いくつかその理由が挙げてあるのですがその中で損得勘定が強調されている。
つまり、戦争は勝っても負けても損であると。
その通りではありますが、せっかく戦闘経験のある方々にお話を伺ってきたのだから、
「戦争は道徳も理性も壊してしまう」ことにもっと軸足を移した方が真実が正しく反映されると思います。
確かに著者のような損得勘定のプロからすると自己の専門領域の方が一般人に説明しやすいのでそれはそれで一つの訴求手法と言えそうですが、
戦争とは「為政者が自己の得のために国民に損を強いるもの」なので、
損得論で戦争回避を語っても既に自己矛盾に陥っており実は説得力はない。
やはり、戦争では「敵にも "味方にも" 殺されず生き残るために人は道徳をなくしてしまう」のでありそれは「理性では回避できない」のだと、
もっと強く主張して欲しいです。
そして道徳も理性もなくしてしまうのは前線のみならず銃後もまた同様なのだと。
(3)熊野木遣節 / 宇江敏勝 / 新宿書房
民族伝 "奇" 小説とのことです。
別に "奇" ではないと思います。
ストーリーとしては凡庸かと思いますが、伝承されることなく朽ちていく地方の風習が丁寧に描写されている。
これらの風習は、僕らの子供世代にとって既に理解不能となっているのではないかと残念に思いますが、
それは文化の伝承を軽んじてきた僕たちの世代の責任なのでしょう
(例えば僕なんかは中部地方山間部にある父の生家を無意識に想像しながら読むわけですが、息子や娘の場合はたぶん想像する具体的対象がない)。
伝承はされなくとも理解共感できるようには引継いでいきたい気がします。
そして個人的邦外在住経験から思うに、
日本人がグローバル化に対応していくためにはこの種の文化的ルーツこそがむしろ大切なのではないかと。
(4)芥川龍之介シリーズ6 / 青空文庫
「上海遊記」「澄江堂雑記」「木曽義仲論」他
芥川シリーズこれにて完了。
思ったより長くかかりました。
(5)夏目漱石シリーズ1 / 青空文庫
「永日小品」他
漱石に突入。
Date:
2018/1/31 (WED)
Headline:
2018/1 に読んだ本
Contents:
プルーストは分厚くて疲れるので、妻がときどき買ってくる新書を挟みました。
新書って物理的に薄いんで (たいていの場合内容的にも薄い)、すぐ読めてうれしい。
(1)失われた時を求めて 3 ~花咲く乙女たちのかげにⅠ
/ プルースト (訳:吉川一義) / 岩波文庫
ほんの少しの物語の進展に対する想像と意識の飛躍なき無限の展開。
まだまだ先は長い。
(2)孤独のすすめ / 五木寛之 / 中公文庫ラクレ
嫌老社会における老人の在り方について語ったもの。
新書の中ではまっとうな部類とは思いますが、主張が拡散してしまっている感が否めない。
老人、衰えを自覚し思い出を辿りながら社会とのかかわりをゆっくり考え直すもまた良し、とのことでしょうか。
僕の理想の老人は、自立、自律、貢献、覚悟、矜持、かな。
( 長期の薬漬けにより体はたぶん実年齢プラス 10歳程度かと思われますのでそろそろ老人論を語っていいかも?、笑。
理想はまだ遠いのです、更に笑。)
(3)遺言 / 養老孟司 / 新潮新書
ヒトは外界とかかわるにあたり、動物的感覚所与を意識の世界まで持ち上げ、その意識を複数のヒトの間で共通化しようとする。
共通化のレベルは一様では全くなく、情報とはそれをできるだけ一様にしようとして固定化するもの。
しかしその努力にもかかわらず、ヒトの意識は流動するもので共有化できないのです。
情報と意識を取り違え「意識は共通化できる論」で動いているように見える社会に解剖学者的危機を感じて情報発信する著者の意識は分からんでもない
(つまりこれは僕が「共通化できる論」に陥っているっちゅうこと?) ですが、
なんでこれが遺言なんやろか?。
因みに、ヒト以外の動物の外界とのかかわりは、感覚的所与にとどまっているらしいです。
(どうもそうでもなさそうとの最新の研究発表などもあるようですが。)
(4)芥川龍之介シリーズ5 / 青空文庫
「或阿呆の一生」「歯車」他
芥川自死の齢をはるかに超えた今、遺稿的これらの文章を読む印象は若き日のそれとは大きく異なる。
圧迫してくる不安感よりもそれを受け止めるある種無力な静謐を強く感じます。