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    ├ Books (本) 過去ログ P5, 2016 / 1月~
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Date:     2016/6/30 (THU)

Headline:     2016/6 に読んだ本

Contents:
    今月より読書時間は昼休みに限定されつつある。 従って書評はいまいち。

(1)小倉昌男~祈りと経営 / 森健 / 小学館
    宅急便の父、小倉氏のドキュメンタリー。 ちょっと焦点がぼけていていまいち。

(2)やがて海へと届く / 彩瀬まる / 講談社
    3.11 をテーマとした小説。 これも焦点がぼけていていまいち。

(3)チェルノブイリの祈り / スベトラーナ・アレクシエービッチ (訳:松本妙子) / 岩波現代文庫
    2015年ノーベル文学賞作家の力作。 コントロールされた放射線照射による晩期障害と闘う身でなくとも、 信じ難い暴走原発放射能の恐怖と人間の無力、無知、そして無恥。 3.11 に続く大震災と安全が保障されない原発再稼働を憂う日本人必読の書。

(4)ふたり / 高山文彦 / 講談社
    水俣病をめぐる皇后美智子と石牟礼道子氏ふたりの接点がテーマ。 これも焦点がぼけていまいち。 これ読むなら「苦海浄土」を再読すべき (当分しませんが)。

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Date:     2016/5/31 (TUE)

Headline:     2016/5 に読んだ本

Contents:
    本を読んでいる場合ではない。 勉強せな卒業でけへん、、、って、入学したばっかやんか!?。

(1)目の見えない人は世界をどう見ているのか / 伊藤亜紗 / 光文社新書
    いつぞやこの手の本を読んで、「遠くの物が近くの物に遮られて見えないという意味が理解できない」 という文章があったように思う。 なるほどと思った記憶がある。 今回は新しい発見はありませんでした。 僕の感性が鈍ってきたためだろうか?。

(2)刑法と戦争 / 内田博文 / みすず書房
    導入部はインパクト大です。 日本の刑法・刑訴法は治安維持法に代表される戦時司法をそのまま引継いでいると。 元々歯止めが薄かった保安処分を次々と復活させていく実体法、密室取調の調書にほぼ無条件で与えられる証拠能力などなど。 注意して監視すべきは表面の有事法制のみではない。 一般人が気づきにくい部分から平時法制の有事転換が既に始まっている。

(3)生身の暴力論 / 久田将義 / 講談社現代新書
    書評に値しません (この書評が読むに値しませんが、、、)。

(4)暴力の哲学 / 酒井隆史 / 河出書房新社
    先週の土曜日に大学のレポートを書きました。 教科書や他の文献を参考にして自分の考えを組立てるのですが、 書き上がったものは他人の言葉を借りた切り貼りのようで内容に全然深みがないのです。 つまり、自分の考えが薄っぺらということですね。 でも幸い引用元の文献数がちょびっとですので、切り貼り感もちょびっとでした。 本書は引用切り貼りの嵐でした。

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Date:     2016/4/30 (SAT)

Headline:     2016/4 に読んだ本

Contents:
    細雪は 1冊なのにカウントは 3冊!。 2016年度は姑息なインチキカウントからスタートです。

(1・2・3)細雪 (上・中・下) / 谷崎潤一郎 / 中公文庫
    実はやたらと分厚い文庫本 1冊なんですが、元々は上中下の 3冊なんで 3冊にカウント。 戦時下何かと圧迫を受けながらも執念で書き上げたとのこと。 没落した大阪船場の名家 4姉妹の日常を当時の文化・風俗・習慣を細かく描写しながら比較的淡々と描いてあります。 総じていえばつまらない小事件の積み重ねに終始するのですが、関西の当時の世俗を後世に残そうとした著者の執念が感じられて飽きさせません。 どこが名作なのかはよく分かりませんが間違いなく名作だと思いました。

(4)核の戦後史 / 木村朗・高橋博子 / 創元社
    米国の恣意的なコントロールの下で核兵器が政治利用されてきた経緯を、公開された秘密文書を引用しながら説明した著作。 概ね想像がつく範囲の内容なのでそれほど目新しい感じはしなかったです。 著者主張に沿って偏った資料のみが引用されている印象が否めませんが、おそらく中立な視点に立っても結論は動かないかと、、、 (この時点で既に偏っている!)。

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Date:     2016/3/31 (THU)

Headline:     2016/3 に読んだ本

Contents:
    予想通りやたら分厚い本を前に怯んでしまった今月。 そして分厚い本はもう一つ続くのです。 太宰治シリーズは拘束環境の変化によりほぼ進捗なし。

(1・2)日本精神史 (上・下) / 長谷川 宏 / 講談社
    学習塾経営してるおっちゃんが独自に研究した成果をやたら分厚い本にして発表したもの。 (たぶん) 私見に満ちた本であり学術的な価値は疑われるのかもしれないが、 縄文時代~江戸時代までの日本の代表的文化・文明遺産を 40ほど採り上げて考察しながら日本人のものの考え方・捉え方の歴史的背景と変遷をたどった手法が面白いし、 また、驚くほどよくそれらの遺産を研究しているためその私見にも思わず共感してしまうところがある。 その辺のおっちゃんの手による驚異的な著作かと。

(3)太宰治シリーズ4 / 青空文庫
「ろまん燈籠」「みみずく通信」「佐渡」他
    環境変わって超減速。

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Date:     2016/2/29 (MON)

Headline:     2016/2 に読んだ本

Contents:
    ちょっと成績悪いのです。 次から濃密 35mm厚 が 3冊続くので、来月は更に減速予定なのです (泣)。

(1)大地の子(四) / 山崎豊子 / 文春文庫
    戦争と出自と共産主義に翻弄される中国残留孤児の生きざまを描く大河長編。 3年ほど詳細な取材をして書き上げたとのことで、フィクションなのにノンフィクション的な緻密な仕上がりです。 息が抜けない展開で物語として非常に面白い。 中国という国、そこに暮らす人の特質もとてもよく描きこんであると思います。 でもノンフィクション的に仕上がってしまっており、行間がない、というか読者の入る余地がない排他的緻密さです。 なので確かに映像にしたらいい感じになりそうです。 中国に残ることを決意し最後に主人公が唐突に口にする表題はパールバックの「大地」を意識しているのでしょうか。 一巻の戦中戦後満州地域のごたごたという場面では安部公房の「けものたちは故郷をめざす」を思い出しましたが、 こちらは行間豊富な感じで僕はこちら寄り。

(2)ヤモリ、カエル、シジミチョウ / 江國香織 / 朝日新聞出版
    芥川賞作家の傑作長編らしいんですが、、、。 なんっすか、これ?、ってよく見たら直木賞作家でした、もぉええわ。

(3)レールの向こう / 大城立裕 / 新潮社
    こちらは芥川賞作家の最新作のようです。 "レールの向こう" って言うとレールが続いているその先ってな感じですが、目の前を横切るレールを跨いだ向こう側っちゅう意味でした。 作者曰く、初めての私小説とのこと。 作者自身のあとがきの付いた珍しい単行本。

(4)二つの母国に生きて / ドナルド・キーン / 朝日文庫
    日本研究者で日本文学翻訳者である著者の日本に関するエッセイ。 日本語を母国語としない日本文学者 (って言ったらご本人に怒られそうですが) が書いた文章だけあって理路整然として正確です。 論文風エッセイ??。

(5)我が家のヒミツ / 奥田英朗 / 集英社
    人々の生活をステレオタイプの解釈で単純化して描いた短編小説集。 なんぼなんでもステレオタイプに過ぎるような、、、。 "我が家のヒミツ" の方が結構面白かったりして? (言われへんけど、笑)。

(6)命売ります / 三島由紀夫 / ちくま文庫
    三島がこんな小説を書いていたんですね。 構成も文章もしっかりしています。 「極上のエンタメ小説」って帯に書いてました。 覚悟ができていたはずの男の覚悟がぼろぼろに崩れていく話。 覚悟も強固な岩盤まで深くしっかり杭が打たれてないとあかんっちゅうことでしょうか。 僕は命拾いましたのでそのあと少し生活態度が変わりましたが、どの深さまで杭は届いとんのやろか?。

(7)太宰治シリーズ4 / 青空文庫
「八十八夜」「美少女」「おしゃれ童子」「デカダン抗議」「皮膚と心」「鴎」「兄たち」「春の盗賊」「女の決闘」 「駈込み訴え」「古典風」「乞食学生」「盲人独笑」「きりぎりす」他
    太宰シリーズがなかなか終わりません。 今後、青空シリーズは減速予定なのです (泣)。

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Date:     2016/1/31 (SUN)
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Headline:     2016/1 に読んだ本

Contents:
    置き場所がなくなったので読み終わった本を売ってきました。 文庫本は置いておくんで売ったのは 80冊余り (写真)。 読んですぐ売るんなら買うなってな考え方もありはありなんですが、、、。

(1)死刑冤罪 / 里見繁 / インパクト出版
    実際の死刑冤罪事件を取材考察した書。 本書には取り上げられていませんが、比較的最近の冤罪事件とされる東電 OL 殺人事件の高裁逆転有罪判決は当時判例時報で読みました (なんでこんなん読んでんのん?)。 今振り返ると原審とは逆に疑わしきは被告人の不利益に裁判されてた印象が拭えなかったものの当時の僕は心情的には有罪でよしとしていたように思います。 僕のような小市民がそう思ってもたぶん何の実害もないですが、裁判官が刑事裁判の大原則を外してはやっぱいけませんよね。 本書の著者は、裁判官は検察の主張に沿った判決を望んでいると看破しています。 そして一般人は検察の創作したストーリーを心地よく受け入れてしまう、、、。 死刑について言えば、以前からそうだったわけではないのですが最近の僕は廃止論に 1票です。 冤罪で死刑執行された人の命はもう取り戻せませんので。
※東電 OL 殺人事件:1997年、夜な夜な売春していた東電エリート OL が売春場所のアパートで殺害された事件。 不法滞在ネパール人が逮捕され一審無罪となるも検察のごり押しで勾留継続され帰国できず、高裁で有罪となり最高裁で無期懲役確定し服役。 事件から 15年後、再審で無罪が確定し元被告人は帰国できた。

(2)死者の花嫁 / 佐藤弘夫 / 幻戯書房
    日本の葬送の歴史を考察する書。 墓参は江戸時代以降の風習であり実はその歴史はそれほど深くないらしい。 戦国以前は死者は葬ったら冥土に行ってしまうんであとはさよなら~って感じだったようで、 その頃は死者がこの世をうろつくという感覚はなく生者を邪する幽霊もほとんどいなかったのだと。 直接関係ないし意識もしていませんでしたが、僕の両親の葬送 (墓はない) は結果として戦国以前に少し先祖帰りかも?。 なかなか面白かったです。 でも、本書最後付近に唐突に登場する 3・11 はあんまり関係ないでなぁ。

(3)蓼食う虫 / 谷崎潤一郎 / 新潮文庫
    谷崎は比較的最近に「卍」と「痴人の愛」を読んだだけ。 僕の読書歴、こんな程度でちょっと恥ずかしいです。 さて、解説によると本作は谷崎の前期作風から後記作風へと移行し始めた頃の作とのこと。 優柔不断なお金持ちの冷めた夫婦の何もない日常が淡々と綴られています。 夫婦の在り方が前期谷崎の余韻を残している感じなのかとも思いますが、アンニュイなこの夫婦には谷崎に期待したくなる異常性はありません。 発表当時の関西の風情がよくあらわされていていいです。 もう少ししたら「細雪」も読む予定。

(4)琥珀のまたたき / 小川洋子 / 講談社
    日曜朝 FM 大阪で著者がいろいろな本の紹介をする番組を遊びに出かける車の中でよく聞いていますが、内容はほとんど右から左に抜けております。 本書は、老人となった兄が語る母親によって世間から隔離されて育った姉兄弟の異常な生活。 小説らしい小説でした。 淡々と綴られる語り口は、異常な生活を余儀なくされた彼らに一見優しいようで実は底辺では冷たい。 FM で聞こえる柔らかな話しぶりに隠された著者の一端を垣間見ました。

(5~7)大地の子 (一~三) / 山崎豊子 / 文春文庫
    TV ドラマに感動した妻の勧めで読んでいます。 (一) の終戦時の中国描写は目をつむりたくなります。 安部公房の「けものたちは故郷をめざす」を思い出しました。 (二、三) は比較的平和。 全体の感想は (四) まで通読の後に。

(8)太宰治シリーズ3 / 青空文庫
「二十世紀旗手」「Human Lost」「燈籠」「富嶽百景」「黄金風景」「女生徒」「懶惰の歌留多」「火の鳥」「花燭」「畜犬談」他
    「黄金風景」が思いのほかよかったです。 思い出は自然と美しく変わるのか、或いは美しい心が思い出をも変えるのか?。 「畜犬談」もよかったです。 子供のころたくさんいた野良犬って結構恐かったでなぁ。 今、野良犬全然いませんね。

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