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    ├ Books (本) 過去ログ P12, 2019 / 7月~
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Date:     2019/12/31 (TUE)

Headline:     2019/12 に読んだ本

Contents:
 年間でみると今年はようさん読んでますね。 114 冊! (+青空)。 まぁ、上出来でしょうか。 しかし、問われているのはそれが身になっているのかどうかなわけでして、、、。

(1)警視庁情報官 / 濱嘉之 / 講談社文庫
 古本屋→自炊。 警察もん推理小説を期待しておりましたが、実際は結構面倒な類の劇画型小説。 著者はノンキャリの辞めサツとのことですが、 権力に任せてバブルでよっぽどいい思いをしたのでしょうか、 バブル時代への未練いっぱいいっぱいです。 キャリアから絶大な信用を得て発言権も半端でない上、 能力も容姿も酒も女もすんごいっちゅう、劇画的ノンキャリトップが主人公で、 なんだかかつてのトレンディドラマ警察版ってな勢い。 公安系の小説という意味では独特の毛色かも?。 まぁ、好きにして、って感じですね。

(2)ハニートラップ / 濱嘉之 / 講談社文庫
 古本屋→自炊。 警視庁情報官シリーズの 2。 こういうのんって、文句言いながらもなんやかんやで次も読むんですよねぇ。 まぁ、好きにさせて、って感じですね。

(3)いまさら量子力学? / 町田茂他 / パリティブックス
 丸善 e-Book ライブラリの学術書。 面白いです (実際のところ内容はほぼ理解できませんが、、、)。 「量子力学における波動関数は観測対象の系全体に対する (不確定性を示す) 状態式であるが、 観測結果とはその系の一部且つ一時に対するものでしかないがゆえ、 シュレディンガーの猫は生死が重ね合わさった状態である (常識的にはありえない不確定性を認めなければならない) とする量子力学に対するパラドックスは、 系全体の状態を系の一部の観測結果 (およびそこから推測されるにすぎない一時的な系全体) に射程を超えて適用しようとする理論的に間違った考え方である」とか、 「メビウスの環の 2 回転で元の状態に戻る性質はスピンの性質を表すよいモデルである (1 回転で原点復帰するか 2 回転で原点復帰するかの 2 種類しかないことの査証)」とか、 「粒子数が十分に多ければ粒子数も位相も事実上確定した状態となる (ミクロの集合体としてのマクロで不確定性が消える理由は、 ミクロの不確定性を近似的にネグレクトできるからではない)」とか。 まぁ、言ぅたらさっぱりわかりません、っちゅうことですね。

(4)ロリータ / ウラジーミル・ナボコフ (訳:若島正) / 新潮文庫
 著者は亡命ロシア貴族の元米大学教授。 作品知らずとも性的幼女趣味の代名詞である本作表題は誰でも知っている。 まぁ、僕の知識もそのレベルであったわけですが、、、。 しかし、実際は (主人公の変態性は置くとして) 歴史的な文芸作品です。 性的幼女趣味を本著表題で代表するのはむしろ失当。 本著読まずしてロリータ趣味 (おぃ!、前言速攻翻して性的幼女趣味を本著表題で代表しとるやん?、 って言わんといてんか) を語ることなかれですね。

(5)卒業証書をもらったマグロ / 大久保嘉洋 / PHP
 Overdrive Library。 近大マグロ、何度か食しましたよ。 確か、刺身と一緒に卒業証書 (縮小版写し?) も皿に盛り付けられていたような。 味もいけるし話題性もあり。 未だ (外食としては) 梅田と銀座でしか食べられないらしく、 来阪してくれた客人をもてなすのに重宝してます (客人さほど来ませんが、何か?)。 組織の中で新しいことをやるのはいつも大変。 学問としての養殖をブランドビジネスに変革するのがいかに大変な労力を要するか、 文筆家でない著者の拙い筆致でもよくわかります。 ところで、僕、ついに卒論提出しました。 もうすぐ卒業証書もらえるやろか? (やっとマグロ並?、以下やったりして、笑)。

(6)失われた時を求めて 14 ~見出された時Ⅱ
    / プルースト (訳:吉川一義) / 岩波文庫

 本巻にてついに完結。 本年の目標の一 (谷崎源氏&失われた時) も完結。 人の心が移りゆくゆえ時代が移りゆくのか、あるいはその逆なのか。 いずれにせよ、人の心移ってもなおその本性は普遍 (不変かな?) という事実は、 歴史がそれを証明しているのではないでしょうか。 人の心は普遍の本性の上でのみ移り行くのです。

(7)ケーキの切れない非行少年たち / 宮口幸治 / 新潮新書
 キャッチ―な表題の最近のベストセラー。 妻がよく買う類の本ですが、これは僕が買いました。 学力以前の基本的認知能力が劣る彼らを教育はどのように救っていけばいいのか?。 保安処分と基本的人権保護との境界についても考えさせられる一冊。

(8・9)悪人 (上・下) / 吉田修一 / 朝日文庫
 古本屋→自炊。 なんか聞いたことあるなって思ったら、映画になってるみたいです。 著者は芥川賞はじめ多くの文学賞を取ってるらしいです (名前すら全然知りませんでしたが)。 本著のジャンルは推理小説ではないですね。 ちゃんとした文芸作品と言うか、大衆小説的ながらも純文学って言ってもいいと思います。 なかなかよかったです。

(10)超常現象をなぜ信じるのか / 菊池聡 / 講談社
 丸善 e-Book ライブラリ。 キャッチ―な大衆的表題ですが、人間の認知情報処理の仕組みに関する科学本。 地表近くの満月が天頂の満月よりかなり大きく見えるわけは、 単に大きさを比較する対象 (地上のビルや山の端など) が同じ視界にあるからではなく、 それら比較対象があるために満月の位置 (満月までの距離) を正しく認知でき、 大きさに対する距離補正 (遠くのものは網膜画像そのものから判断される大きさより大きいと認知される) が自動的に働くためだったのです。 なるほど、地表近くの満月って確かにやたらとでかいでなぁ。 そして誤認知の大きな原因の一つは、 情報ソースの記憶が情報内容そのものの記憶に比べて失われやすいことらしい。 ソース情報が失われると、 信頼性の低いソースから得た情報でもその内容を信頼できるものとして記憶しなおしてしまうんですと。 自動補正もソース情報欠落も本人は意識できないところがさらに問題。 結局、人は見たいものを見たいように見るんですと。 そして見たいように見えたものしか記憶に残らないものなんですと。 そして更に言えばこれらの知覚情報の無意識的修正機能は、 ヒトが自然界で生き残るため必須の本能でもあるんですね。

(11)冷血 / トルーマン・カポーティ (訳:佐々田雅子) / 新潮文庫
 米カンザス州で実際にあった一家 4 人惨殺事件のノンフィクション。 ノンフィクションとしては面白いと思いますが、 世界の名作の一としてはどうなのでしょうか?。

(12)心 / 稲盛和夫 / サンマーク出版
 利他の心を持てと説くカリスマ経営者の手による (宗教的) 啓発書。 展開は論理的とは言い難いですが、人としてあるべき姿を愚直に説いてあります。 あんた、ほんまにそんな経営してきたのん?、ってな疑問も湧きますが、 それは置いといて説かれている内容はごもっとも。 もしかすると、こんなボスの下ならば働き甲斐があるのかもしれませんね。

(13)小林多喜二シリーズ2 / 青空文庫
 小林多喜二シリーズ終了しました。

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Date:     2019/11/30 (SAT)

Headline:     2019/11 に読んだ本

Contents:
 卒論書いてた割には読んだような気もしますが。

(1)友情2 / 編:山中伸弥 / 講談社
 亡くなったラグビーの平尾氏への友人たちからの寄稿集。 平尾氏は僕と同学年ですが、この人望の大きな差ってなに??!。 まっ、生き方の差っちゅうことですかね。

(2)がんから始まる生き方 / 養老孟司他 / NHK 出版
 がん、あるいはその治療に関する、大学教授 3 人の意見及び鼎談。 2 人はがん罹患歴あり。 信頼関係を築けたなら治療は主治医に任せてしまえばいいとの意見にはあんまり賛成できないですね。 最終的には自分 (患者) のことは「自分たち」で決めるべきかと。 そうでないと医師との信頼関係はきっと築けません。 もちろんその「自分たち」の中に主治医も入るのならそれは幸せだと思いますが。 本著に書かれた内容を読む限りでは、 大学の偉い先生でもたどり着く境地は一般人の僕とさほど変わらないような気もしました。 でも、先生方を差し置いて敢えて言わせてもらえば、僕は死ぬまでにもう一歩前に進みたいなぁ。 だから棺桶にはうつぶせで入りたいんです、、、 (死ぬときも前のめり、棺桶うつぶせ IN はたぶん無理ですが)。

(3)泣ける!日本史 / 後藤寿一 / 主婦と生活社
 久しぶりの Overdrive Library。 はっきり言って全然泣けませんでした (笑)。 まっ、こんなもんでしょう。

(4)湯布院殺人事件 / 内田康夫 / 光文社文庫
 古本屋→自炊。 浅見光彦シリーズではありませんで、 たった 2 作で終了したって著者がやけくそで自慢する、 フルムーン探偵シリーズっちゅうのんの初作らしいです。 でも、シリーズ違えどやっぱりこの著者特有のわかりやすい直列的展開なんで、 「眠い時には内田康夫の推理小説」の法則は成立しそうです。

(5)人質カノン / 宮部みゆき / 文春文庫
 古本屋→自炊。 短編集。 推理小説ではありませんでしたが、なかなか上手に書いてありすらすら読めました。

(6)誰か / 宮部みゆき / 文春文庫
 古本屋→自炊。 渋い路線の推理小説。 事件自体の事件性は比較的薄い (なにそれ?) ですが、 淡々とした進行は結構楽しめます。

(7)人とサルの違いがわかる本 / 杉山幸丸 / オーム社
 Overdrive Library。 なんか焦点がぼけてるなぁって感じ。 京大の霊長類研究の先生による著作ですが、人とサルとの違いはこれではわかりません。 しかし、このいまいちはっきりしない人とサルとの境界が、 人も自然界の生物であることを再認識させてくれるような気もします。 奢った人類はわかっていながら滅亡のがけっぷちめがけて疾走しているとの指摘はごもっともです。

(8・9)海賊と呼ばれた男 (上・下) / 百田尚樹 / 講談社文庫
 古本屋→自炊。 妻が海賊の出なんで、そのうち読まなあかんなって思ってた本 (妻とこの著作とは全く何の関係もないですが)。 出光創業者のお話。 「でびかる」って読んでた人いてましたよね?、えっ、いてなかったですか?。 まぁそれは置いといて、文章が薄っぺら。 この著者の「永遠の 0 」はなかなか良かったように記憶していますが、 社会派の小説となると同様にはいかないようです。 そういえばこの著者、 自己の作品をほめちぎる読書感想文を懸賞付きで募集して批判浴びてましたね。

(10)行動や性格の遺伝子を探す / 小出剛 / 裳華房
 丸善 e-Book ライブラリー。 いゃぁ~、学術書とはいえここまでさっぱりわからんのんはめずらしいですかね。 僕の脳はがん治療と加齢により既に完全に焼が回っておるやもしれません。 行動や性格の遺伝子を探す過程やその結果ではなく、手法に特化した本でした。

(11)宇宙の雑学 / 木下好則 / ごきげんビジネス出版
 Overdrive Library。 表紙著者名の頭に堂々と「天文おたく」って銘打ってありました。 不正確な記述もあるようですが、まぁまぁ面白かったですよ。

(12)火垂るの墓 / 野坂昭如 / 新潮文庫
 古本屋→自炊。 直木賞受賞作としてはめずらしく僕の中では比較的特殊な地位にある作品。 古本屋でふと目についたもんで、再読してみました。 著者の戦争体験をベースとしたフィクションですが、 かなりの程度実態を表していると思われます。 死を無理やり遠ざける現代の風潮はそれはそれで問題ですが、 戦時の有無を言わせぬ理不尽な死の氾濫は今後決して忘れてはいけないし、 もちろん再現してはいけません。

(13)尾崎紅葉シリーズ2 / 青空文庫
 金色夜叉、文体が思いっきり明治!! (あたりまえです) してるんで結構読みにくいです (慣れればそうでもないですが、、、)。 作者死亡のため未完 (知りませんでした)。 あの有名なせりふ「来年の今月今夜の、、、」が劇場用短縮版やったっちゅうことも初めて知りました。 尾崎紅葉シリーズ終了。

(14)小林多喜二シリーズ1 / 青空文庫
 蟹工船は若き時代に既読のはず。 多喜二の青空作品数は多すぎず少なすぎずなんで、 まぁ、こんなところでよかろうと選択してみました。

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Date:     2019/10/31 (THU)

Headline:     2019/10 に読んだ本

Contents:
 どうも毎日しんどいんで読書も進まず。

(1)署長刑事・時効廃止 / 姉小路祐 / 講談社文庫
 古本屋→自炊。 我が娘はつまらんと言って中途放棄してました。 警察もん推理小説としてはかなり難があると思いますが、 拘束時間つぶしには悪くなかったです。 でも、こんなけったいな大阪弁使ぅてる人見たことおまへんでぇ (著者は大阪市大卒らしいですが?、僕はにせ大阪人)。

(2)1984 年 / ジョージ・オーウェル (訳:高橋和久) / ハヤカワ epi 文庫
 1949 年発表の作品。 ソ連共産党がモデルでしょうか?。 最後に主人公は党に心底徹底的に屈服させられるのですが、 この征服手法は中国共産党を見る思いがします。 しかし、本当に怖いのは、党の圧力ではなく人間の本質的な弱さかも (支配する側もされる側も)。

(3)陸軍中野学校と沖縄戦 / 川満彰 / 吉川弘文館
 沖縄裏戦史でしょうか。 表戦史とはまた異なった一面を知ることができますが、 戦争の愚かさは裏も表も変わることはありません。 卒論の参考文献として読みました。 卒論、ほぼ固まりました。 最終仕上げ中!。

(4)クライマーズ・ハイ / 横山秀夫 / 文春文庫
 古本屋→自炊。 ミステリーかと思って読み始めましたが違いましたね。 直木賞系の娯楽小説に近いと感じましたが中身はなかなかいいです。 読み応えありました。

(5)殺人方程式 / 綾辻行人 / 光文社文庫
 古本屋→自炊。 新本格派推理小説とのことですが、、、。 並、ですかね?。

(6)ダブリナーズ / ジェイムズ・ジョイス (訳:柳瀬尚紀) / 新潮文庫
 ダブリン市民の新訳。 ダブリン市民の生活を描写した短編集。 原文ではジョイス特有の言葉遊び的要素が多くちりばめられているらしいのですが、 訳本ではいまいちわかりませんでした。 ユリシーズでは訳者 (別の方です) が大変な苦労をしている感が伝わってきてましたが、、、。 でもそれは置いといて、短編集として素直に読めばいいと思います。

(7)人間の本性 / 丹羽宇一郎 / 幻冬舎新書
 妻が買った新書。 ドセ点滴 (1 時間以上もかかるんです!) 受けながら読んでました。 著者はビジネスで頂点を極めたのち中国大使を務めた人ですが、 人間の本性の理解には疑問が残ります。 え?、それは本性の表出と違うんでない?ってな部分が結構ありました。 ただ、部分的にそのとおりってな記述もそれなりにあり。 例えば、人間は一生好奇心を失うべきではない、など。

(8)鳴風荘事件 (殺人方程式Ⅱ) / 綾辻行人 / 光文社文庫
 古本屋→自炊。 殺人方程式の続編。 もちろん推理小説なんですが、はっきり言って読むのめんどくさいです。 ほんなら読まんかったらええやんか、って思ったあんた!、こっちにもいろんな事情があんねん、 ほっといてんか。

(9)予告された殺人の記録 / G.ガルシア=マルケス (訳:野谷文昭) / 新潮文庫
 著者自身が自作中の最高傑作と言っている作品らしいです。 実際にあった事件を題材にしているとのことで、なかなか緻密に組み立てられていて面白い。 元ジャーナリストの筆致が内容にマッチしています。

(10)金沢殺人事件 / 内田康夫 / 講談社文庫
 古本屋→自炊。 このシリーズはいいですね。 展開がシリーズ (直列的) で何も考えなくてもよいもんで、どんなに眠くても読めます。 ドセでしんどい時期にはぴったりですか。

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Date:     2019/9/30 (MON)

Headline:     2019/9 に読んだ本

Contents:
 あんまり読んでません。 卒論結構書いてたし、、、。

(1)家族ゲーム / 本間洋平 / 集英社文庫
 古本屋→自炊。 松田優作主演の映画が印象的でしたよね、 1 列に並んでみんなこっち向いて座ってテーブルで飯食ってるやつ (原作とはちょっと筋立てが違うらしいです)。 観てませんけど。 実は 1981 年すばる文学賞受賞作。 発表から 40 年近く経過した今でも、 本作で取り上げられた家庭内の社会問題は未だ続いているように思います。

(2)灯台へ / バージニア・ウルフ (訳:御輿哲也) / 岩波文庫
 1927 年発表の英女性作家による長編小説。 ほとんど筋書きの展開がない心理描写小説ですが、 その核心である登場人物の心理展開が全く理解できませんでした。 時代が違うからなのか、著者が女性で僕が男性だからなのか、英国と日本のちがいなのか???。 ほぼ同時代の作である、カフカの城、ジョイスのユリシーズ、プルーストの失われた時、 などは全然違和感なかったのに、本著には最初から最後まで違和感感じっぱなしでした。 でも、世界の名著らしいです。

(3)カンガルー・ノート / 安部公房 / 新潮文庫
 安部公房の遺作。 新潮文庫版の安部公房は高校~大学時代に全部読んだつもりでしたが、 実際のところ未読なのか既読なのか?、内容についての記憶は完全に未読でした。 安部公房の創出する寓話は、読み流せないですね。 一見ふざけた荒唐無稽な内容だが、実は立ち止まって深く考える必要あり。 本作では、脛にかいわれを生やした男が自走式ベッドに拘束され異次元を彷徨う。 ドセ入院先の僕のベッドは幸いにも自走式でなかったのでよかったです。

(4・5)ジェネラル・ルージュの凱旋 (上・下) / 海堂尊 / 宝島社文庫
 古本屋→自炊。 この著者の代表作がバチスタなんで、てっきり推理小説と思って違和感なく読んでました。 で、読み終わって巻末の解説読みましたら推理小説ではないって書いてありまして、 確かに推理の要素はあんまりないって初めて気づきました。 まぁ、どっちでもいいです。 面白かったです。

(6)私を離さないで / カズオ・イシグロ (訳:土屋政雄) / ハヤカワ epi 文庫
 原題は Never Let Me Go 。 少し読んだらわかるんですが、訳がなかなか良い。 なるほど、邦題もいいですね。 解説に曰く、入念な構成、細部まで抑制が利いた静かで端正な語り口。 ふ~む、確かにその通り。 反倫理世界の出来事は僕たちの実世界の問題そのままなのではないでしょうか。

(7)尾崎紅葉シリーズ1 / 青空文庫
 シリーズっちゅうても、3 つしかないです。 金色夜叉読んだことなかったんで、これにしてみました。 でもまだ終了してません。

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Date:     2019/8/31 (SAT)

Headline:     2019/8 に読んだ本

Contents:
 なんか、いまいち調子悪いんよねぇ。

(1)パラドックス 13 / 東野圭吾 / 講談社文庫
 古本屋→自炊。 SF です。 分厚い文庫本でしたが、面白く読めました。 細かいところを言えばおかしな点は山ほどありますが、 深く考えないのが正しい読み方でしょう。

(2)がんと正しく戦うための遺伝子検査と精密医療 / 西原広史 / 羊土社
 丸善 e-Book ライブラリ。 盆休みに生まれ故郷の関東に行き、 高校同窓生の遺伝子検査専門医と会って、飲み食いしながら最新情報を教えてもらったのです。 ついでに付近の同窓生も集まってミニ同窓会。 その準備におさらい的に読んでみました。 2 年ほど前に書かれた本ですが、 むしろ基本的な部分については最新情報よりもわかりやすいかもしれない。 有用な本の割にはページ数が少なくすぐ読めて、冊数稼ぎ (?) には効果的でした。

(3)百年の孤独 / G. ガルシア=マルケス (訳:鼓直) / 新潮社
 1982 年ノーベル文学賞受賞作家の代表作。 やたら世間の評価が高いんで、どんなもんかと読んでみました。 黒いファンタジーの中に、 中米ベースの歴史と著者の考える人間の本質が織り込まれた小説でしょうか。 無宗教の日本人には比較的なじみやすい気もしますが、 個人的にはやはり同じ日本人の大江健三郎や安部公房の方が共感しやすいかと。

(4)稽古の思想 / 西平直 / 春秋社
 哲学者の視点から稽古の意味を考える書。 確かに言葉で説明するのは結構困難なのでしょうが、 うだうだ言わずとも、まぁ、体感的には既知かなぁ。

(5)まあまあふうふう / 八千草薫 / 主婦と生活社
 妻が買った本。 馬馬虎虎 (まあまあふうふう、中国語)。 台湾で暮らしていた時にはしょっちゅう耳にしてました。 テキトーやけど、まっ、えぇか、ってな意味。 ショートエッセイ集みたいなもんでしょうか。 著者の佇まいそのままの語り口で、きれいな歳の重ね方をしていることがよくわかります。 できればこうありたいものですが、なかなか思うようには行かないんよねぇぇ、、、。

(6・7)英雄の書 (上・下) / 宮部みゆき / 新潮文庫
 古本屋→自炊。 どっからどう見てもファンタジー。 著者の本を敬う気持ちから生み出された幻想小説でしょうか。 結構凝った作りとなっており作者の苦心がうかがわれるのですが、 子供向けとも大人向けともとれるどっちつかずとなってしまっているのは残念。 読むのに結構時間くってしまいました。

(8)イニシエーション・ラブ / 乾くるみ / 文春文庫
 古本屋→自炊。 なんか昔話題になってたような気がするなぁと思って読んでみたんですが、 薄い本なのに途中で読むのがくそ面倒になってきて、いつの間にかネットでネタバレ読んでました。 大どんでん返しのラスト 2 行なんですと。 さすがにこの時点で途中すっ飛ばしてラスト 2 行から先に読む愚行は控えましたが、 順路通りにたどり着いたラスト 2 行は、、、??、はぁ、さいでっか、ってなとこ。 くだらんトレンディドラマ (死語ですか?) もどきのつまらんギミックですかね。 そういえば本作中に "衝撃の 1 行!" で売ってる「十角館の殺人」(推理小説) が出てきてて、 たしかこれもその 1 行発見でけへんかったでなぁ、ってぼんやり思い出しましたです。

(9)新見南吉シリーズ3 / 青空文庫
 新見南吉シリーズ終了。

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Date:     2019/7/31 (WED)

Headline:     2019/7 に読んだ本

Contents:
 出社後にちょっと新しい試行をしてみたり、 卒論書こうと試みたり (進んでませんが?) で、 いままで読書に充てていた時間が別活動に費やされておりますね。 他方、世界の名作にも食指をのばそうとしてみたりもしてます。 百年の孤独、予告された殺人の記録 (マルケス)、灯台へ (ウルフ)、ダブリナーズ (ジョイス)、 ロリータ (ナボコフ)、1984 年 (オーウェル)、私を離さないで (イシグロ)。 いまのところ積読 (つんどく、つまり買ぅただけ) ですが、何か?。

(1)自己心理学セミナー / 金築智美編 / 勁草書房
 丸善 e-Book ライブラリ。 ここの検索エンジン、えらくしょぼいんで、読みたい本を見つけるのが難しいです。 で、まぁ、ええか、ってこれ。 人の成長と自己認識の発達、統合失調症、パニック障害、抑うつ、睡眠など、 なんとなく興味を引きそうな話題が羅列してあるにもかかわらず、 もう、睡眠導入剤としての機能しか見出せません。 丸善 e-Book ライブラリ読むときは絶対寝てはあかんのんで苦労しました。 どうも僕は心理学ははっきり嫌いなようです。 ところで、レム睡眠のレムって、rapid eye movement の略やって知ってました?。 僕はこの本読んで初めて知りました。 レム睡眠時は眼球が素早くあちこち動き回るわけなんですね。

(2)学生時代、学ばなかった君へ / 鷲田小彌太 / 丸善出版
 丸善 e-Book ライブラリ。 まぁ、新書の部類でしょうか。 んっ?、僕のことか?って思って読んでみましたが、 言うて悪いけど新書 9 割の側に属してますね (僕は新書 9 割駄作論者)。 前書きによると、 あまりお勉強の得意でない大学の卒業控えた若者たちに向けて書いたもんらしいです。 つまり、僕は大学の卒業控えた者ではありますが、 若者ではないので年齢的に完全にお呼びでなかったのです。

(3)失われた時を求めて 12 ~消え去ったアルベルチーヌ
    / プルースト (訳:吉川一義) / 岩波文庫

 ストーリー展開ほぼ無し。 いろいろな方向に逸れながら延々と過去や現在の状況とそれに係る心理分析が一見締まりなく続いている。 なにが?って言われても困りますが、 人間の逃れられない性が絡みついてそこに囚われてどうにもならない感じでしょうか?。 状況は違いますが、源氏物語の世界観と共通してませんか?。 んっ?、先月の完全コピペですか?。

(4)死体鑑定医の告白 / 上野正彦 / 東京書籍
 久しぶりのOverdrive Library。 監察医の経験談。 ベストセラー「死体は語る」に続く何匹目かのどじょうでしょうか。 まぁ面白いですが、どじょうは初回より明らかに小さくなって痩せてました。

(5・6)けものみち (上・下) / 松本清張 / 新潮文庫
 古本屋→自炊。 名作サスペンス小説。 時代は僕たちの親世代でしょうか、昭和半ばの社会の暗面が舞台となっています。 名作と言われるだけあって、文章に時代が正確に切り取られている感がありますが、 僕が生まれる少し前って、本当にこんなんだったんでしょうか?。

(7)名探偵の掟 / 東野圭吾 / 講談社文庫
 古本屋→自炊。 推理作家の自虐ネタ。 なめとんかい!。 あほらしすぎて笑いこらえんのんに苦労しました (睡魔と戦うよりはまし)。 こんなんに笑ぅてまう自分が笑えます。 解説がまたほんまにくそまじめに自己のこじつけ見解をさもえらそに披露している風体なんで、 あきれて最後まで笑えました。

(8)R.P.G / 宮部みゆき / 集英社文庫
 古本屋→自炊。 題名はロールプレイングゲームなんですと。 僕らの時代は roll 即ち巻物をほどいて先に進んでいくような TV ゲームが主流でしたが、、、 えっ?、根本的に違うって?。 スクロールゲームの間違いですかぃ?。 ミスリードから始まりましたが推理小説なんで特に問題なし!。

(9)失われた時を求めて 13 ~見出された時Ⅰ
    / プルースト (訳:吉川一義) / 岩波文庫

 ストーリー展開ほぼ無し。 いろいろな方向に逸れながら延々と過去や現在の状況とそれに係る心理分析が一見締まりなく、、、 おぃ!、2 回もコピペすな!!。 ついに求めていた失われた時が見出されてきましたか。

(10)名言で楽しむ日本史 / 半藤一利 / 平凡社
 Overdrive Library。 各時代の文献から一言を選択して採り上げ、 1 ページでそれにまつわる歴史エピソードを簡単に評する構成。 元は新聞連載らしいです。 もう少し興味をそそる書き方ができそうな気もしますが、 まぁ、日本史を斜めに概観するにはなかなかいいかもしれません。 歴史って結構面白いのに高校時代は嫌いやったでなぁ、 って懐かしかったりしました。

(11)新見南吉シリーズ2 / 青空文庫
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