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      P14, 2020 / 7月~
      
      
       
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       Date: 
          2020/12/31 (THU)
    
    
    
       Headline: 
          2020/12 に読んだ本
    
    
    
       Contents:  
       今月はあまり読んでませんね。
      でも年間では 155 冊 (青空除く) 読みました。
      まぁまぁでしょうかね?。
      
      (1)ノーベル賞でたどる物理の歴史 / 小山慶太 / 丸善出版 
       丸善 e-Book ライブラリ。
      もう少し歴史的トピックがつなげてある本かと思いましたら、
      ほんま、単純に年を追ってこんな研究でノーベル物理学賞が贈られた、
      っちゅう羅列に近かったです。
      まっ、それはそれでそれなりに面白いと言えば言えますが、、、。
      
      (2)掌の小説 / 川端康成 / 新潮文庫 
       川端が長きにわたり書き溜めた超短編小説の集合。
      各編あまりに短かすぎて著者の考えていることが理解できないものが多い。
      小説にはある程度の文量が必要なんでしょうか。
      
      (3)万延元年のフットボール / 大江健三郎 / 講談社文芸文庫 
       なるほど、これは大江健三郎の傑作。
      本作がノーベル賞受賞の中心著作となったのもうなずけます。
      大江ワールド炸裂です。
      
      (4)人物なるほど「一日一話」 / 今泉正顕 / PHP 電子 
       Overdrive Library。
      ふ~む、PHP って表題はキャッチ―なのよね。
      そして、キャッチ―な表題は本文の充実とは無関係なことが多い。
      
      (5)大人でも間違いやすい日本語のマナー常識 / 本郷陽二 / PHP 電子 
       Overdrive Library。
      ふ~む、PHP って表題はキャッチ―なのよね。
      そして、キャッチ―な表題は本文の充実とは無関係なことが多い。
      前項のコピペ!。
      
      (6)同時代ゲーム / 大江健三郎 / 新潮文庫 
       文章の密度が濃すぎます。
      一字一句ていねいに読んでいかないと脱落します。
      つまり、読むのにとっても時間を要するということですね。
      本作も大江ワールド炸裂。
      
      (7)名人 / 川端康成 / 新潮文庫 
       終身名人制最後の名人、本因坊秀哉の引退碁の観戦記兼小説。
      現在の棋戦とはかなり仕組みが違っており不公平感がありますが、
      それだけに昔は名人の品格がより問われていたのでしょう
      (ネットで見ると必ずしも品格高い感じでもないですが、、、)。 
      川端の小説としては異色で結構面白いです。
      
      (8)新しい人よ眼ざめよ / 大江健三郎 / 講談社文庫 
       かなり私小説。
      個人的な体験の系譜ですかね。
      これだけ深く悩み考えて、きっと初めて自己の境地を確立できるのでしょう。
      
      (9)基本的人権の事件簿 (第 6 版) / 棟居快行他 / 有斐閣選書 
       丸善 e-Book ライブラリ。
      ちょっとわかりにくいなぁ。
      事件に対する考え方の鍵を素人にもわかりやすく提示してくれればいいのに。
      
      (10)無関係な死・時の崖 / 安部公房 / 新潮文庫 
       久しぶりの安部公房。
      砂の女と並行して書かれた短編を集めたものらしいんですが、
      そう言われると、砂の女にエキスを吸い取られてしまった感じなんやろか?。
      
     
  
  
  
    
    
       Date: 
          2020/11/30 (MON)
    
    
    
       Headline: 
          2020/11 に読んだ本
    
    
    
       Contents:  
       結局アラビアン・ナイトは中途放棄
      (「開けごま!」のくだりまでは到達できず、残念)。 
      他方、僕のライブラリ、もう少し買い足す予定はあるんですが、
      現時点の蔵書目録を作ってみました。
      結構ええのんがそろってます。
      孫に読ませたいなぁ (息子も娘もまだ独身ですが、何か?)。
      
      (1)世界の常識 vs 日本のことわざ / 布施克彦 / PHP 新書 
       Overdrive Library。
      PHP な上に新書ときては期待度超薄。
      内容は期待通りでしたかね (笑)。
      
      (2)抗がん剤をいつやめるか?どうやめるか? / 勝俣範之 / 日本医事新報社 
       丸善 e-Book ライブラリ。
      こんな本があったんで読んでみました。
      だって、ドセきっついんやもん。
      PS (Perfomance Status) なんて略語も覚えました。
      総じていえば PS 3 (限られた身の回りのことしかできず日中の半分以上を寝て過ごす)
      以上の患者には化学療法は総じてマイナスなんで緩和ケアに移行すべしということらしい。
      今の僕は PS 1 (激しい活動に制限はあるが軽作業などは可) ですかね。
      ドセ後は一時的に PS 2 (歩行可能で身の回りのことはできるが作業は困難) 
      になってるかも?。
      ゲノム医療も今の段階ではやめ時は化学療法とそれほど変わらない感じのようです。
      ところで、症例に登場する患者たち、医師 (の処方) に対する期待がやたらと高いです。
      なんででしょ?、医師も僕らと同じ普通の人にすぎないのにね
      (頭脳明晰である確率は一般人よりかなり高いとは思いますが)。 
      僕は、主治医たちにも友人医師たちにも "ふつぅー" に期待しています。
      
      (3~4)ジャン・クリストフ (三~四) / ロマン・ローラン (訳:豊島与志雄)
           / 岩波文庫 
       ベートーベンがモデルと言われる大河小説
      (著者自身は、ジャンにベートーベンを見るな、って言ってますが)。 
      出だしはロマン・ローランってドイツの作家やったけ?、ってなドイツ批判が炸裂。
      進むにつれ、フランス批判の方がよっぽど辛辣で深いんで、フランス人やったな、
      って納得する感じ (最後にはフランスの芸術をかなり褒めてましたけど)。 
      分厚い文庫本四冊と長いですが、描写・考察が緻密で読者は手を抜けるところがあまりない
      (読破に時間を要したことのいいわけ?)。 
      音楽家の成長・成熟物語であり同時に人間賛歌でもある。
      ジャンが最後にたどり着く境地は、若かった時代の僕には理解できなかったかもしれない。
      てらいのないストレートな名作でした。
      
      (5)娘のトリセツ / 黒川伊保子 / 小学館新書 
       ふ~む、僕の娘への接し方は間違っていたのか?。
      いやいや、そぅでもないと今でも思ってますが、、、?。
      トリセツとは関係ありませんが、脳科学者の著者曰く、
      栄養摂取をやめると脳内麻薬が自然分泌されて苦痛から解放されるようにできているらしい。
      死の直前に食事ができなくなるのは幸せな死を迎えるに当然必要な生理なんですと。
      
      (6)「残り 2 年」の生き方、考え方 / 関本剛 / 宝島社 
       肺がんになって余命 2 年を宣告された緩和ケア医による著。
      人は生きたように死ぬ、つまり、ちゃんと生きればちゃんと死ねる。
      そのためには好奇心を失わずに「迷ったら、やる!」なんです。
      
      (7)少年と犬 / 馳星周 / 文芸春秋 
       今年の直木賞。
      権力の犬は大嫌いですが、この本の犬なら、まぁ、いいかな?。
      
      (8)死を受け入れること / 小堀鴎一郎・養老孟司 / 祥伝社 
       東大医学部卒の 2 人の対談。
      ふーむ、一見かみ合ってるようで注意してみるとそうでもないような会話、
      表出した言葉の裏側にある深い経験をある程度知らないと理解できないような気がします。
      妻はもっとわかりやすく読んでました、
      トップエリートで素直な養老先生とセカンドエリートで僻み屋の小堀先生??。
      まっ、いずれにせよ死は死ぬ本人には大した影響はないみたいです。
      
      (9)阿部一族・舞姫 / 森鴎外 / 新潮文庫 
       初読。
      何故か今まで鴎外はあまり読んでないんですが、
      今こうして読んでみるとやはり若いうちに読んでおくべきと感じますね。
      舞姫、虚構とは言え考えさせられるものがあります。
      主人公はきっとこの先普通には生きていけないのだろう、、、。
      
      (10)舞姫 / 川端康成 / 新潮文庫 
       舞姫続きでこれも初読。
      千羽鶴、山の音と並行して書かれた新聞小説らしい。
      並行作にいいとこを取られてしまった感じですか?。
      
      (11・12)ご冗談でしょう、ファインマンさん (上・下)
          / R.P.ファインマン(訳:大貫昌子) / 岩波現代文庫 
       丸善 e-Book ライブラリ。
      1965 年にノーベル物理学賞を受賞した米の量子物理学者の自著逸話集。
      運動音痴ガリ勉組を自称していますが、ちゃっかり 3 回も結婚してます。
      興味を持っていろいろと実行していく姿勢には感心しますが、
      本書内容は物理学とは関係ない事柄が主。
      でも、何にでも興味を持つことが一つのことを深堀りすることになっていくんですね。
      
      (13)千羽鶴 / 川端康成 / 新潮文庫 
       初読。
      結局これも読んでへんかったんかい、って突っ込みたくなりますが、何か?。
      山の音の姉妹作と言っていいように思います。
      彼方老境の、此方青年の、なんとなく逃れ難いことを感じさせる呪縛。
      読後感あまりさわやかならぬ佳作。
      
      (14)眠れる美女 / 川端康成 / 新潮文庫 
       変態じじい小説。
      変態的叙述はともかく、
      変態を通じて想起される男女が織りなす逢瀬は、
      文章の美しさと相俟って、日本情緒を喚起させてくれます。
      
     
  
  
  
    
    
       Date: 
          2020/10/31 (SAT)
    
    
    
       Headline: 
          2020/10 に読んだ本
    
    
    
       Contents:  
       最近不眠症で、例えば 21 時に眠たなってとっとと寝て 2 時に目が覚めて寝られなくなり、
      4 時ころから再び寝て 6 時に起きるとか、、、(んっ?、それって不眠症か?)。 
      まっ、つまり、夜中に読書が進んだりするわけです。
      そして昼は眠い。
      
      (1~6)モンテ・クリスト伯 (二~七) / アレクサンドル・デュマ (訳:山内義雄)
           / 岩波文庫 
       おもしろいです。
      子供のころに夢中で読んだ怪盗ルパンみたいです。
      稀代の大金持ち似而非貴族の復讐鬼モンテ・クリスト伯って、やっぱ、悪人ですかね?。
      
      (7)人生論 / トルストイ (訳:中村融) / 岩波文庫 
       丸善 e-Book ライブラリ。
      生物学と哲学の射程を見誤っているようでなんやらようわからんのですが、
      内容的にはアインシュタインが言う
      「誰かのために生きることにのみ生きる価値がある」
      「人の価値とはその人が得たものではなくその人が与えたもので測られる」
      と同じ感じでしょうか?。
      偉大な文学者の言よりも偉大な科学者の言の方が、この場合わかりやすいかも?。
      
      (8~9)ジャン・クリストフ (一~二) / ロマン・ローラン (訳:豊島与志夫)
           / 岩波文庫 
       ロマン・ローランのノーベル賞受賞の中核となった著作。
      全四巻。
      感想は全巻読破後に。
      
      (10~11)アラビアン・ナイト (1 ~2) / (訳:前嶋信次) / 平凡社東洋文庫 
       Japan Knowledge Lib。
      なっ、なっがい!!、なんと、18 巻!。
      イスラム文化圏のおとぎ話であるが、元はインド発祥と思われるものが多いとのこと。
      ふざけた話の連続なんですが、別におもしろくもなんともない。
      アラビア語の長編叙事詩という意味では僕にはわからない価値があるのでしょうが、、、。
      まぁ、二巻で引導渡そかなぁ。
      
     
  
  
  
    
    
       Date: 
          2020/9/30 (WED)
    
    
    
       Headline: 
          2020/9 に読んだ本
    
    
    
       Contents:  
       本を読まないうちの娘に読書の楽しさを知ってほしい。
      で、僕のライブラリに以下の本が追加されました。
      卍 (レズ)、仮面の告白 (ゲイ)、教団 X (カルト宗教)、ハックルベリィ・フィンの冒険 (黒人差別)、壁
      (自分の名刺に自分を乗っ取られた男)。 んっ?、何か?。
      どれも名作やで。
      (ハック以外は既読。)
      
      (1~3)戦争と平和 (二~四) / トルストイ (訳:工藤精一郎) / 新潮文庫 
       読んでも読んでも進まないんですが、やはり名作は名作だけのことはあります。
      ナポレオンのロシア侵攻を題材とした長編傑作。
      歴史は小さな個人の生活の集積であるとの著者の見解の下に、
      自己の出自を織り込んみつつそれを体現した名作。
      でも、エピローグの最後の何十ページかはいらんちゃうのん?。
      
      (4)かもめ / チェーホフ (訳:浦雅春) / 岩波文庫 
       丸善 e-Book ライブラリ。
      超有名な戯曲。
      戯曲っちゅうのんは読んでもいまいちよくわかりません。
      舞台で見ると違うんでしょうか?。
      演出によってもかなり変わるみたいなことが解説に書いてありましたが。
      
      (5・6)ロビンソン・クルーソー (上・下) / デフォー (訳:平井正穂) / 岩波文庫 
       丸善 e-Book ライブラリ。
      上巻部分は、少年文庫みたいなのんで子供のころ読んだことがあると思う。
      未開地の食人種が当たり前のように出てくるんで、もちろん時代を考えながら読む必要があります。
      宗教観にもちょっと違和感あり。
      本筋ではないですが、中国に関する記述は
      (在住経験ある身として) 思わず笑ってしまうほど秀逸 (?) でした。
      でも名作冒険小説って、大人になってもわくわくするよね。
      
      (7・8)ハックルベリィ・フィンの冒険 (上・下) / マーク・トウェイン (訳:西田実)
           / 岩波文庫 
       というわけで、少年に戻ってこれ。
      既に退化してしまった冒険心がかきたてられて面白いですね
      (退化についてはちょっと寂しい気もするけど、、、)。 
      トム・ソーヤはたぶん少年文庫みたいのんで読んだことがあるんですが、
      ハックは初読と思う。
      いい意味でアメリカ的おおざっぱな少年冒険もので面白いです。
      トムは少年向けと解されているに対し、
      その続編である本書はアメリカ文学を確立した金字塔と評されているらしい。
      最初と最後にトムが出てくるんですが、確かにその部分だけは全然面白くなかったです。
      子供の頃トムを読んで黒人奴隷が "もの" であった歴史を学んだように記憶してます。
      
      (9・10)ファウスト (上・下) / ゲーテ (訳:手塚富雄) / 中公文庫 
       ご存知超有名な戯曲。
      キリスト教的立ち位置での著作でないからでしょうか、
      戯曲ですが思ったより素直に入ってきました。
      悪魔 (これはキリスト教?) と契約するインテリおじいさんの悲劇
      (って帯に書いてましたが悲劇でもないような)。 
      求道者的、多神教的特性の日本人にとってはなかなか面白い古典でした。
      
      (11)思考の整理学 / 外山滋比古 / ちくま文庫 
       古典的 How to 本。
      これ読んで啓発される人は、まぁ、著者に遊ばれておるのんではないでしょうか。
      内容から 2 点ピックアップしておきます。
      ①文芸作品を読むことは必須。
      これは完全に正しい。
      ②人・物事を見るときはそのよい点を見よ。
      これは多くの場合正解だが、
      100% 正しいとしてしまうと思考の発展は否定されてしまう。
      どちらも我が子には言ぅてきたつもりやったんですが、、、。
      
      (12)モンテ・クリスト伯 (一) / アレクサンドル・デュマ (訳:山内義雄)
           / 岩波文庫 
       黒岩涙香による翻案「巌窟王」の原作全訳。
      ユゴー、バルザック、デュマはそれぞれ蔵書にないとあかんわなぁ、って購入 (動機が不純)。 
      大長編復讐劇。
      感想は七巻完読後に。
      
     
  
  
  
    
    
       Date: 
          2020/8/31 (MON)
    
    
    
       Headline: 
          2020/8 に読んだ本
    
    
    
       Contents:  
       全集 (文庫ですが) 3 シリーズも買ってしまいました。
      漱石、芥川、ニーチェ。
      カミュがあったら欲しいんですが、文庫は元々ないしハードカバーは絶版。
      なんか、最近血迷ってますか?。
      
      (1)車輪の下 / ヘッセ (訳:実吉捷郎) / 岩波文庫 
       ノーベル賞作家の自伝的青春小説。
      初読。
      普遍的ないい作品だと思いますが、たぶん、
      この手の小説はどこの国でもそれぞれ優れたものがあるのだろう。
      日本人にはやはり日本の小説の方がなじむかもしれない。
      ところでこのお話、
      中学の教科書に載っていた「少年の日の思い出」となぜか混同してましたわ (笑)。
      
      (2)五重塔 / 幸田露伴 / 岩波文庫 
       丸善 e-Book ライブラリ。
      世渡り下手の腕のいい宮大工が五重塔を建てる話。
      主人公に必ずしも共感できないところがみそなのかもしれない。
      文体が古いんで取っつきは読みにくいですが、
      筋も描写も比較的簡潔なので慣れれば問題なし。
      
      (3)革命か反抗か / カミュ、サルトル (訳:佐藤朔) / 新潮文庫 
       カミュの評論「反抗的人間」に端を発するカミュ・サルトル論争。
      昔に読んだときはなんやら高尚な感じがしましたが、
      今読むと中傷合戦に終始しているような、、、。
      階級を分離したがる当時の風潮は理解に苦しみます。
      階級も、人間も、哲学も、分布はいつもブロードで、
      そしてそれでいいんです。
      
      (4・5)魔の山 (上・下) / トーマス・マン (訳:高橋義孝) / 新潮文庫 
       ノーベル賞作家であるマンの代表作。
      確かに分厚い本ではあるんですが、ほんま、読んでも読んでも進まんのですわ。
      なんででしょ?。
      青年の成長物語です。
      途中、前掲「車輪の下」の方がだいぶんなじみやすいなぁ、って何度思ったことか。
      
      (6)古寺巡礼 / 和辻哲郎 / 岩波文庫 
       丸善 e-Book ライブラリ。
      著者は哲学の偉い先生らしいです。
      本著はその代表作とのことですが、まぁ、
      少なくとも僕は違和感かなり残るなぁ。
      奈良の古寺を巡りながらその伝承物について解釈を垂れた著述なんですが、
      無学を盾に敢えて言わせてもらえば、
      解釈の根拠が薄弱というかなんというか、、、。
      僕は歴史は既に自由ではないと考えてますが、
      哲学になるとそこから解放されて自由なんでしょうか?、
      あるいは偉い哲学の先生が自由なんでしょうか?。
      でも、古都奈良っていいよね、飛鳥も斑鳩もいいよね、ってのが感想。
      
      (7)京アニ事件 / 津堅信之 / 平凡社新書 
       今月は冊数少ないんで、ここらで簡単に読めるやつを。
      著者には本質が見えてませんね。
      以下はその見えていない本質 (私見)。 
      人の思考を止める作用においてアニメとカルト宗教は類似性を持つ。
      思考を止めて洗脳されてしまうと人は向かう先を制御できないんです。
      その土壌を自ら育んだアニメ界は、この種の事件が起こりやすい環境にあったわけです。
      
      (8)若きウェルテルの悩み / ゲーテ (訳:竹山道雄) / 岩波文庫 
       丸善 e-Book ライブラリ。
      もっと光を!!って亡くなった偉大な詩人の小説。
      解説によると自伝的小説のようで、著者自身は読み返すことを嫌がったとか。
      現代の感覚では展開が一途で劇的すぎるんですが、若き感性にはそれを是認する柔軟性がある。
      ちゃんと若い時に読んどけや、ってのが感想。
      
      (9)戦争と平和 (一) / トルストイ (訳:工藤精一郎) / 新潮文庫 
       あんた!、こんなんも読んでへんのん?、ってな嘲りが聞こえてきそうな、、、。
      ええやんか、そやからこの期に及んで読んどんのやんか!、ほっといてんかぇ!。
      トルストイは全然読んだことなかったんです。
      これないとライブラリかっこつけへんでなぁ、って思って買いました (動機が不純)。 
      感想は 4 巻完読後に。
      
     
  
  
  
    
    
       Date: 
          2020/7/31 (FRI)
    
    
    
       Headline: 
          2020/7 に読んだ本
    
    
    
       Contents:  
       んっ?、今月は名作を中心にいわゆるくそ真面目な本ばっか読んでますね。
      
      (1)死者の書・口ぶえ / 折口信夫 / 岩波文庫 
       丸善 e-Book ライブラリ。
      幻想小説っちゅうもんらしんですが、わけわかりませんです。
      奈良時代が舞台なんでしょうか?。
      大体、作者の名前が "しのぶ" ですから、こっから既に変化球ですよね。
      柳田國男を継ぐ偉い民俗学者らしいです。
      
      (2・3)赤と黒 (上・下) / スタンダール (訳:桑原武夫・生島遼一) / 岩波文庫 
       貴族社会で成り上がりを志向する主人公のジュリアンはあんまり善人ではないです。
      1830 年代フランスが舞台ですが、まぁ、どうも、
      善人も悪人も言うほど人間として区別ないし、
      人間って昔からたいして変わらんのやなぁ、ってな感覚を覚えます。
      貴族に関しては日本人にはあまり馴染みがないんですが、なるほど、
      これがプルーストの時代まで受け継がれていくわけなんですね。
      モームが挙げる世界の十名作の一。
      
      (4)動物農場 / オーウェル (訳:川端康雄) / 岩波文庫 
       丸善 e-Book ライブラリ。
      ソ連体制を痛烈に批判する英作家による寓話。
      そして、同盟国ソ連を無言の圧力で擁護する英大衆世論の危険。
      作者自身の序文が付録についてますが、これも真実を突いておってなかなか良い。
      トロツキーもスターリンも豚なんですねぇ
      (笑、この時代は英でも笑えなかったみたいですが、、、)。 
      そして、最後には英国民も豚と区別がつかなくなっていくんです。
      
      (5)嘔吐 / サルトル (訳:鈴木道彦) / 人文書院 
       ふ~む、これは理解できんなぁ。
      存在の不条理を、存在が不条理って強弁しているような、、、?。
      実存主義確立前、サルトル初期の著作とのことです。
      革命か反抗かで論理的に負けているカミュの方に共感していた僕、
      今読んでもきっと変わってないような気がします (進歩ない?)。
      
      (6)愛するということ / エーリッヒ・フロム (訳:鈴木晶) / 紀伊国屋書店 
       愛は技術である、と定義することから始まる、新フロイト派精神分析学者による著作。
      極めて明快かつ分析的に論じてあります。
      愛が技術かどうか僕は疑問視していますが、
      愛するにはその能力というものが必要であるとの見解には完全同意。
      そう、愛するということは能力の発露なんです。
      
      (7)死に至る病 / キェルケゴール (訳:斎藤信治) / 岩波文庫 
       丸善 e-Book ライブラリ。
      初期の実存主義哲学者による著作。
      絶望が死に至る病であるとするのですが、まず、
      一般的理解における絶望と本書に言う絶望とがあまり重なっていないような気がします。
      つまり、初っ端から理解できておらんっちゅうことですかね?
      (言ぅてすまんけど、こんなの理解できる方がおかしいんちゃうのん?)。 
      キリスト教文化に強固に立脚しているがゆえ、余計に理解困難です。
      
      (8)方丈記 / 鴨長明 (編訳:左方郁子) / PHP 電子 
       Overdrive Library。
      初めて読みましたが、鴨長明って、
      世評に未練たらたらの俗な才人っちゅう感じですね。
      俗な部分は方丈記には表出してないと解説されておりましたが、
      いやいや、そんなことはありません。
      従って、なかなか面白い小品と言えます。
      
      (9)山の音 / 川端康成 / 新潮文庫 
       川端の名作。
      身内の好ましくない出来事を巻き込みながら淡々と綴られる、老いた舅と若き嫁の心裡小説。
      静かな語り口でありながら射程が深いところが現代日本文学の真骨頂ですね。
      僕も主人公の年齢に近づいてきました。
      
      (10)狭き門 / ジッド (訳:山内義雄) / 新潮文庫 
       厳格なプロテスタント家庭に育った著者が、
      プロテスタント精神を徹底させたヒロインを描くことによって逆にそれを批判する構造、
      と解説にありましたが、
      僕たち普通の日本人にはそのプロテスタント精神自体が理解し難いと感じます。
      おかしな純愛が歪曲されて宗教のバーチャル世界に無理やり還元されてるみたいで、
      僕は完全に逆を読んでしまってました
      (理解できてないんで結局は同じですかね??)。
      
      (11)沖縄ノート / 大江健三郎 / 岩波文庫 
       丸善 e-Book ライブラリ。
      返還前の沖縄についてはよく知らないので、結構判らない部分が多かったです。
      沖縄集団自決冤罪訴訟の原因となった著作。
      社会的運動に係る記述が多く、著者が社会的役割を果たそうと悩む様子がよくわかる。
      振り返って僕は、自己に対しては恥ずるところなしとは思うものの、
      社会に対してその役割をちゃんと果たしてきたかどうかについては大いに疑問が残る感じです。
      まっ、しゃぁないか。
      
      (12)この世界の片隅で / 編:山代巴 / 岩波新書 
       丸善 e-Book ライブラリ。
      被爆から 20 年の歴史を明らかにする 1965 年出版のルポ。
      この世界の片隅に、っちゅう漫画原作の話題のアニメ映画と紛らわしいですが、
      だからこそこの本が目に留まった一面もあり。
      若干焦点が拡散してしまっている感じがしないでもないですが、
      全体を柔らかく包み込む編者の特性が出ているのかもしれない。
      
      (13・14)嵐が丘 (上・下) / エミリー・ブロンテ (訳:河島弘美) / 岩波文庫 
       丸善 e-Book ライブラリ。
      女性作家の描く壮大な復讐劇。
      現代の感覚からすると不自然な部分もたくさんありますが、
      どきどきしながら次の展開を期待してしまう、
      読書本来の楽しみを思い出させてくれました。
      ふ~ん、
      女性が書くとかなりえげつない物語も、
      こんなふうに若干優し気な雰囲気が出てくるんかいな、、、。
      本作もモームが挙げる世界の十名作の一。
      
      (15)ゴリオ爺さん / バルザック (訳:平岡篤頼) / 新潮文庫 
       カバーの写真を見る限り、バルザックって悪そうな面構えです。
      浪費家で多大なる借金を残したまま亡くなったとか。
      娘に徹底的に投資した小金持ちを取り巻く人間模様。
      本作もモームが挙げる世界の十名作の一。
      バルザックは真の天才とモームが褒めるだけのことはあると思います。
      
     
  
  
    
      
      
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